Philosophy
理念
梨屋さんが送り状や請求書の自動化で事務を効率化し、人手不足の中でも本来の現場作業に集中できる体制を整えてきた経験から導き出した DX の理念と、それを体現する開発スタイルをまとめています。
現場に寄り添うデジタル化を広げたい
私たちが大切にしているのは、現場にとって本当に役立つことを、無理なく続けられる形で実装することです。送り状や請求書の自動化で事務を効率化し、人手不足の中でも本来の現場作業に集中できる環境を整えてきました。目的は“デジタル化すること”ではなく、“現場仕事に集中できる環境を整えること”。技術ありきではなく、目的に合う方法を選びます。
既存のクラウドサービスや市販システムだけでは細かな現場の要望に応えきれないので、作業の流れや繁忙期の段取りに合わせて仕組みを整えることの重要性を痛感しています。その知見を活かし、事務負荷を減らして現場が本業へ注力できる体制づくりを目指す皆さまと伴走したいと考えています。大企業から中小・零細企業まで事務現場を経験したDX担当者が、痒いところに手が届く実装で支援します。
事務作業に向き合う私たちの視点
事務は栽培や販売のように直接利益を生むものではありませんが、送り状の宛先を一文字違えただけで誤配になり、請求金額が狂えば信用を損ねます。中小企業では「仕事だから仕方ない」と時間をひねり出し、単調な作業を続けているのが現実です。
加えて、事務職員を新たに雇うのも容易ではありません。給与や社会保険料まで含めれば、例えば 1 人あたり年間 400 万円、5 年で 2,000 万円ほど必要になるケースもあります(あくまで一例です)。家族経営や小さな事業者には大きな負担です。
だからこそ、私たちは「信用を守りながら事務時間を減らし、本業へ集中する余白をつくる」ことを DX の軸に据えてきました。AI によるコーディング支援が追い風となり、自社で小さく作り、すぐ直せる仕組みが現実的になっています。
大切にしていること
- 現場起点で考える:使う人の流れに合わせて設計する
- 小さく作って早く試す:触って直すサイクルを短くする
- 人に合わせた自動化:判断が必要な箇所は人が決める
- 見える化と共有:手順と根拠を記録し、誰でも引き継げる
取り組み方
- 現状と課題を整理 → 仮説 → 小さな実装 → 実地検証 → 改善
- 自作の更新基盤(CMS)で、営業・価格・品種などをタイムリーに発信
DX 推進のきっかけ
- 発送準備が集中する時期に、送り状と請求処理が追いつかない。
- Excel への手入力や転記が多く、時間とミスが重なる。
- お客様対応や現場作業に割く時間を確保したい。
課題を洗い出して内製した「梨屋さん事務管理システム」で作業を直列化し、AI を使った開発サイクルで改善を高速化。本業へ人と投資を戻すために公式サイトも同じ思想で再構築し、日々の更新が滞らない運用へ移行しました。
現場で見えていた課題
- 繁忙期は日中から夜まで送り状・請求処理が続き、休息が取りにくい。
- Excel への手入力や転記が多く、ヒューマンエラーが発生しやすい。
- 情報発信が遅れ、お客様への案内や予約状況の共有が後手に回る。
取り組んだこと
- 現場フローを分解し、AI(Codex・Claude など)を使って内製で「梨屋さん事務管理システム」を構築。
- 顧客情報の取り込みから送り状印刷・請求発行までを一連で処理できるよう統合し、余った時間を接客・品質管理へ再投資。
- 公式サイトも自作 CMS で再構築し、営業日の予定や予約状況を即時更新できる仕組みに切り替えて売上機会の取りこぼしを抑制。
今の姿
AI と人が対話しながら設計する「バイブコーディング」を活用し、仕様検討から改善までのサイクルを短縮。少人数でも事務に追われず、本業に集中できる運用体制を整えています。
DX とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して業務やサービスの形を変え、人や投資を本業へ集中させることで継続的な価値を生み出す取り組みです。
単なる IT 導入ではなく、仕事の進め方を見直しながら、組織全体の持続可能性と発展性を高めることが重要です。
バイブコーディングとは?
「バイブコーディング」は、AI と対話しながら開発の「雰囲気(vibe)」をすり合わせていく最新の開発手法です。要件を一気に固めるのではなく、AI に試作コードを出してもらい、人間がその場で用途や感触をコメントしながら調整を重ねます。
- 大量の仕様書を作らなくても、会話ベースで完成形をイメージできる
- AI が骨組みを提案し、人間が現場の肌感覚をフィードバックすることで無駄な実装を削減し、リソースを価値創出に振り向けられる
- 少人数でもスピード感を保ったまま品質を高め、現場が本業に集中できる時間を生み出せる